ヒペリカム
2010年 09月 12日
写真は、10年近く前に花の生産農家を訪問したときに撮影したヒペリカムのハウス栽培の様子です。切り枝用のために、茎を長くなるように栽培されています。実は、赤、白、ピンクなど多彩です。
ガーデン用としては、比較的背の低いものが欧米では使われているようで、どちらかと言えば花が鑑賞対象となっていますので、実は小さく花が大きなものが多いのが特徴かと思います。写真は、オランダの農家の庭先にヒペリカムが植えられているのを、当時は珍しいと思って撮影したものです。最近、道路の植栽として使われているのを見かけるようになりましたが、一般のガーデンではほとんど見たことがありません。
ヒペリカムに興味を持つようになって、10数種類を集めましたが、ラベルが見えなくなったり、消失したりして品種名がわからなくなってしまいました。花の色が黄色で、姿も類似したものが多いため区別するのが大変難しいので、ラベルをつけ直すのに大変苦労しています。品種名の判明したものをいくつか紹介します。
ヒペリカムは、背の低いわい性、中型で花の大きななもの、大型で実の美しいものに分けられます。
まず、わい性でグランドカバーに最適のセラストイデス(512)は、花木と言うより宿根草といえるものです。良く広がって花付も良いので、ロックガーデンやガーデンの縁取りに最適です。
オリンピクム(513)もわい性ですが、ブッシュ状になり縁取りには最適です。グランディフロラムもオリンピクムにそっくりで、現在、我がガーデンでは区別がつかなくなっています。
コリス(514)もブッシュ状になりますが、葉が針状なのが特徴です。
オリエンターレ(515)は、もう少し大きくなるタイプで丸い草姿が可愛いのでロックガーデンに向きます。
フォルレシイ(516)は、さらにもう少し大きくなるタイプで、おしべが花火のようで非常に美しい品種です。花付も良いので存在感があります。
プロリフィクム(517)も良く似た種類で他との区別が難しくて苦労しました。葉に特色があるのでなんとか区別が出来ました。
キネンセ(518)は、花が大きく草姿も美しい種類です。伸びやすいので、花が終わると短めに切っています。
ペルフォラタム(519)は、美しいのですが大変迷惑な種類です。オトギリソウに良く似た性質を持っていて、どちらかと言えば一年草に近い種類です。そのためか種子を沢山つけてあちこちに拡散します。
雑草化するので、花が終われば引っこ抜くようにしていますが、油断するとこのように軒下から花が咲くことになります。
切り花用品種はエリート(520)だけを植えています。草丈が1.5m位になって、この時期になると赤や白など実が可愛い品種です。
ヒペリカムのどの種類も簡単に挿し木で増やすことが出来ます。枝が固まったらいつでも挿し木できますので挑戦してみてください。